『X線CTを用いた地盤崩壊の解明』
熊本大学大学院 先端科学研究部 教授 大谷 順 氏
地盤工学は、実学としての問題解決をめざし、地盤構造物の変形や破壊の解明を確認する設計・施工の基礎事項として学問体系がなされています。しかし、2016年の熊本地震や今年7月に発生した豪雨災害など、災害外力のパラダイスシフトが起こっており、その設計・施工の高度化が益々期待される現状にあります。X線CT装置は1979年のノーベル医学・生理学賞であり、医学診断の分野において開発された非破壊検査手法の1つです。熊本大学では、1996年より世界に先駆けてこのX線CT装置を地盤工学の分野に適用する研究を始めました。今回の講演では、まずX線CTについて紹介し、その後で地盤破壊に関するいくつかの研究事例を紹介させていただきます。