九州大学 農学研究院環境農学部門森林環境科学講座森林保全学研究室 教授 久保田 哲也 氏
気候変動に伴う雨量の増加傾向が続く中、2017年九州北部豪雨災害では激しい山地災害と森林斜面崩壊からの大きな流木災害を生じている。また、2018年西日本豪雨災害も発生した、このような豪雨災害が日本列島の地震活動期と重なり、2016年の熊本地震後の梅雨期には振動により土質強度の落ちた山地斜面での土砂災害も発生しており、加えて、先日の北海道胆振東部地震時には降雨の影響と複合した過激な山地災害を発生させた。この現状に鑑み、九州北部地域を事例とした山地災害と流木発生の状況や森林斜面複合災害に対する根系の影響、気候変動の影響、地震の影響について解説する。