
災害エスノグラフィは、災害に直面した人々の体験や記憶をその人の言葉で伝え、体験者の視点から災害時の状況や判断、知恵を記録し、体系化する取り組みで、1995年阪神淡路大震災以降に防災学習の手法として活用されてきています。2011年東日本大震災後、次世代の職員のためにも個人の経験を体系化し継承することが必要であるとの問題意識から、仙台市水道局と名古屋大学とで共同で、災害エスノグラフィ調査を実施し、職員が体験した葛藤やジレンマを100以上抽出した。これらのジレンマについて、当時の状況、問題文・選択肢、当時の対応、で構成される研修教材を作成し、災害エスノグラフィワークショップ手法を構築しています。ワークショップでは、ジレンマに対する意思決定のメリット、デメリットを議論するとともに、デメリットを回避するための事前・事後の対策を整理し、次につなげる取り組みとしています。10年前の熊本地震での経験を追体験するとともに、この10年の取り組みを踏まえたこれからの取り組みについて考えます。さらに、令和8年熊本地震で10年前の経験をどのように活かすことができたのか、何が課題として残っていたのかについて考えます。